【明日への扉】提灯職人 〜 使命感と希望を胸に 〜
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三重県にある桑名市。木曽川・長良川・揖斐川の木曽三川の河口に位置する、水と緑に恵まれた町だ。
普段は静かなこの町に、年に1度、轟音が鳴り響く。
「日本一やかましい祭り」と呼ばれる「桑名石取祭」。国の重要無形民俗文化財、またユネスコ無形文化遺産にも登録されている祭りだ。毎年、8月第一土曜日と日曜日の2日間、40台の祭車が夜通し太鼓と鉦(かね)を鳴らしながら市内を練り歩く。

桑名石取祭は桑名最古の神社、桑名宗社の神事として、江戸時代初期に始まった。神社の敷地を修理するために、川から石を運んで奉納したことが始まりとされている。江戸時代中期以降には意匠を凝らした祭車に提灯を飾り、鉦と太鼓を打ち鳴らす形になった。

石取祭の提灯の多くを手がけているのが、創業140年以上の歴史を持つ岩永提灯店だ。

歴代の当主が石取祭を支えてきた。4代目の岩永和彦(いわなが・かずひこ)さんにも、石取祭に対する特別な思いがある。
「石取があるからやる気にもなったし、勉強もできてきた。『お前んとこがなくなったら石取できんからな』ってずっと言われてきたから、知らず知らず、責任感を持たなきゃしょうがなくなってきました」と話す。

その重責を継ごうと意を決したのが和彦さんの次女、岩永実和子(いわなが・みわこ)さんだ。6年前から、師匠である父の仕事を手伝いながら、提灯づくりの勉強をしている。
実和子さんは幼い頃から父と祖父の仕事を見て育った。21歳で憧れていた幼稚園教諭の仕事についたが、2019年、26歳のときに、跡を継ぐ決意をした。
石取祭がユネスコの無形文化遺産に登録されたタイミングで覚悟を決め、「守っていきたい、地元に密着して支えていきたい」と思ったという。
そしてその夏、石取祭の直前に祖父が他界し、さらに責任の重さを感じることとなった。
「葬儀の時に、おじいちゃんのご友人たちから、孫が継いでくれるんだってすごく嬉しそうにしゃべっとったぞっていうのを聞いた時に、継ぐんだっていう思いがより一層強くなった」という。
提灯づくりの工程すべてを習得するまでには最低でも10年はかかるという。本格的に修業を始めてまだ数年だが、絵や文字を描く絵付けの仕事を任されるまでになってきた。

1日も早く師匠に追いつきたい。多くの人々の期待を背負い、走り始めた若き提灯職人の日々を追った。
続きは、ディスカバリーチャンネル放送から。
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Text by Discovery編集部