【明日への扉】建具・組子職人 〜 千年の伝統を未来へ 〜
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千年の技が宿る木工技法、組子(くみこ)。
釘を使わず、木を組み合わせて紋様を表現する。光や風を通し、欄間や障子、襖といった建具のしつらえとして建築に華を添えてきた。
その技は繊細かつ緻密。地組(じぐみ)という格子状の枠に、葉っぱという部品をはめて紋様を作る。

島根県西部、日本海を望む浜田市。山間には棚田の絶景が広がる。
その一角にある吉原木工所では、組子を取り入れた建具や家具などを製作している。
三代目の吉原敬司 (よしはら けいじ)さんは、県外で組子の修業を積み、家業を継いだ。

和室が減少する時代に、洋間にも溶け込む組子を製作し、グッドデザイン賞を受賞した。さらに、床に落ちる組子の影まで演出したり、インテリアにとり入れたりして、あくなき探求を続けている。
「親方が厳しい方で、組子に命をかけた方でしたから、僕もやっぱりそこを目指しました」と吉原さんは言う。さらに、「こういう志せる唯一無二のものに出会えたことが本当に宝だし、奇跡だと思いますね」とも話してくれた。
吉原さんのもとには職人を志す若者が全国から集まる。5年間の見習い期間を設け、職人の心得が叩き込まれる。

組子の技を磨く若者のひとりが、建具・組子職人の中原空芽(なかはら くうが)さんだ。
鳥取県生まれの中原さんは、幼い頃に見た組子に憧れ、高校卒業と同時に吉原木工所の門を叩いた。7年目を迎え、毎日が木との真剣勝負だ。
中原さんは「思った通りにいかない部分が多く、難しい仕事だと感じている」一方で、基本に忠実に、日々「木と会話をしながら」研鑽を積んでいる。目指すは誰が見ても恥ずかしくない仕事を通してお客さんに喜んでもらうことだ。

吉原木工所に新たな製作の依頼が舞い込んできた。中東のドバイに茶室が造られるという。室内の四方を囲う16枚の引き戸を製作することになった。
メインの4枚は花の紋様の組子で日本の四季を表現する。メイン以外の12枚の組子は、初めてのデザインに挑戦する。
通常は個人で製作にとりかかるが、納期が迫っているため、今回はチームで完成を目指す。中原さんはチームの責任者に抜擢され、司令塔として後輩を束ねる。

納期が迫る。中原さんのもと、チーム一丸となって急ピッチの作業が続く。まだ見ぬ美しさを求めて─────。
続きは、ディスカバリーチャンネル放送から。
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Text by Discovery編集部