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【明日への扉】錺簪(かざりかんざし)職人 〜 日本の四季を映し出す小さな世界 〜

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古くから日本女性の髪を彩ってきた簪(かんざし)。

古代日本では、先の尖った細い棒に力が宿り、それを髪に挿すことで魔除けになると考えられていたそうだ。自然の草花や枝を髪に挿すことを「挿頭花(かざし)」と呼び、それが簪の語源になったと言われている。



錺簪職人の津留崎千勢(つるさき ちせ)さんは、もともと簪職人を目指してはいなかったという。小さい頃から弁護士を志ざし、法律を勉強するために大学にも入った。しかし今一度自分の人生を見つめ直した時、気づいたことがあった。

ひとつは、子どもの頃からものづくりや図画工作が好きだったこと。そしてもうひとつは、母親が経営する美容院で着物をまとい、髪を結い上げた女性たちの華やかな姿に憧れて、「こんな簪があったら素敵だろうな」と想像していたことだ。幼少期からの憧れがものづくりの情熱と結びついた時、簪職人という新しい未来が見えてきた。

一念発起して宝飾品を作る専門学校に入学し、ものづくりの基礎を学んだ。そして簪職人への道を探していた折に、たまたまインターネットで見つけた一枚の写真が津留崎さんの運命を変えた。

写っていたのは桜を象った優美な花簪。そこに、一匹の蜂が止まっていた。蜂が本物の花と見間違えるほどまでに美しい簪──。

「この簪の職人さんは本物だ」、そう思ったそうだ。そして「こんな簪を作る職人さんに教えを乞いたい」とも思った。そこで津留崎さんが訪ねたのが、墨田区で4代続く職人の工房「かざり工芸 三浦」の4代目錺簪職人、三浦孝之(みうら たかし)さんだった。



三浦さんは簪作りにまつわるすべての工程を手作業で行う。伝統技法を踏襲し、緻密な職人技で作り上げられた三浦さんの簪は、まさに小さな芸術品だ。

そんな三浦さんに弟子入りした津留崎さんは、まずは店の掃除から始めたという。そして修行を開始してから6年経った今では、数種類の簪を手掛けられるようになった。



こちらは津留崎さんが作った「桜のちり簪」だ。わずか数センチの空間に、躍動感あふれる春の情景が広がる。



津留崎さんにとって、簪の魅力とは?

「無機質な平板の状態の金属に生命を宿すような…、とても小さい世界の中に日本の四季折々ですとか、それを見た情景ですとか、そういったものを込めるところに魅力を感じております」と津留崎さんは笑顔で語る。

簪に魅せられた若き職人の奮闘ぶりを、ぜひご覧になってほしい。

続きは、ディスカバリーチャンネル放送から。


~at home presents明日への扉~

ディスカバリーチャンネルにて毎月第3木曜日 19:30~20:00、再放送は翌々週の日曜日 08:30~09:00に放送中


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Text by Discovery編集部

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