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【明日への扉】小代焼 焼物師 ~ 思い描く景色を求めて 〜

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熊本県の小代焼(しょうだいやき)を代表する色彩は、白、青、黄色。多彩な釉薬が複雑に溶け合うことで、神秘的な景色を生む。



小代焼の象徴が、流し掛けという技法だ。焼くと白くなる藁灰釉(わらばいゆう)という釉薬が器の上で躍る。

熊本県の北西部、有明海に面する荒尾市。小代焼は、今からおよそ400年前、藩主の細川忠利が国替えとなった際共にこの地に移り住んだ陶工が小岱山(しょうだいさん)に窯を築いたことで誕生した。

茶の湯に造詣の深かった細川藩の茶器が焼かれ、長らく一子相伝により技術が守られてきたという。その後、江戸時代後期になると庶民にも広まった。



現在熊本県内にある11の窯元の1つ、中平窯では、日々の暮らしを彩る器から茶器や大皿など、多彩な器が作られている。

その中平窯で、伝統の炎を未来に灯す若者がいる。

焼物師、西川智成(にしかわ ともなり)さん、29歳。



小代焼は「自由でおおらかであって、でも力強くて風格がある。強さとおおらかさがふたつ共存しているような焼物で、そういうところが魅力的」だと話す。

智成さんは幼い頃から仕事を手伝い、跡を継ぐために大学では陶芸を学んだ。卒業後は父の西川講生さんに弟子入りし、7年目を迎える。



日常使いの器の他、江戸時代に作られた「古小代(こしょうだい)」と呼ばれる小代焼の再現にもこだわる。さらに、板で叩いて形作る「叩き成形」という技法にも挑戦している。古小代に多く見られるこの技法も、今では貴重になったという。

そんな智成さんに、大きな仕事が託された。

それは、登り窯の窯焚き。どう焚くかで器の表情が変わるという。



「温度が足りなかったら釉薬が思ったほど溶けていなくてあまり面白くなかったり、逆に焼きすぎると傷が出やすいですね」と智成さんは話す。

同じ釉薬でも温度や酸素量で色が変わる。炎をコントロールできなければ、狙った景色は描けない。

その上、火を止めるタイミングが何よりも重要だ。薪を1、2回多くくべるだけで釉薬の色が飛び、透明になってしまうという。窯焚きの勝負は、最後の5分。器の景色が180度変わる、まさに紙一重の決断だ。

「最後の5分がものすごく集中する時間で、そういうのをやるっていうのが焼物屋の醍醐味みたいな感じで。やめ時は慎重にというか、真剣に見て決めています」と智成さん。



父であり、師匠である講生さんは、「自分なりの焚き方をいかに見つけるか。覚えろっちゅうよりも、身につけろっちゅうことですよね。それが自分たちの武器になる」という思いから、今回智成さんに窯焚きの全てを任せた。



果たして、智成さんの窯焚きが始まった。ここから30時間、器を炎にゆだねる。智成さんは全ての重要な決断を下さなければならない。智成さんは炎を操ることができるのか?

これは、初めて窯焚きの決断に挑む炎の記録だ。

続きは、ディスカバリーチャンネル放送から。


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Text by Discovery編集部

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