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【明日への扉】刀鍛冶 〜 一鍛入魂 日本の技と魂をつなぐ鍛錬 〜 後編

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日本刀に華やかな美しさと鋭い斬れ味をもたらす刃文(はもん)。刀身に焼刃土を置き、焼入れを行うことにより生ずる。



刃文は、時に波や雲のような模様を織りなし、時に直線的な潔さを表現する。刀鍛冶の美意識を深く反映していると同時に、その刀の個性を生み出していると言っていいだろう。


そして、つい刃文の美しさにばかり目を奪われてしまいがちなのだが、カメラをさらに近づけてみると、実は地鉄にも独特の模様が現れていることに気づく。今回撮影に成功した太刀には、板目のような模様が見てとれるので注目してほしい。


「地肌の細かい模様はなかなか見えるものではないんです」と説明してくれるのは吉原義人(よしはら よしんど)氏。義人氏は刀匠界においての最高位の無鑑査に認定され、国内はもとより世界中の日本刀愛好家からも絶大な人気を誇る現代の名工だ。


日本刀の地鉄に現れる独特な模様は、「折り返し鍛錬」と呼ばれる工程から生まれる。何度も鉄を沸かし、折り返しては打つことにより鋼の層が何万、何十万と形成されていく。義人氏によれば、まさにこの「鉄を鍛え上げること」が刀鍛冶の一番大切な仕事なのだそうだ。


そうして鍛え上げられた鉄は、刀鍛冶の振るう手槌一本により見事に打ち出され、端正な刀へと変貌を遂げていく。



現在、義人師匠の元には5人のお弟子さんがいる。



羽岡慎仁(はおか まこと)さん(31)は一番の兄弟子だ。葛飾区柴又で生まれ育ち、高校生の時に刀鍛冶の道を志した。5年間の修業を経て、文化庁主催の「美術刀剣刀匠技術保存研修会」を修了。晴れて一人前の刀鍛冶となった。その後の7年間はアルバイトを続けながら師匠の元へ通い、研鑽を積んでいる。


修業6年目の山野達人(やまの たつと)さん(26)は神奈川県出身。小さい頃から剣や刀に憧れ、「鍛冶屋さんになりたかった」と話す山野さんは、今まさに夢を体現している。


同じく修業6年目の辻村 圭(つじむら けい)さん(30)は、中学生の頃に展覧会で日本刀を目の当たりにしてから、刀鍛冶の道を志すようになったという。辻村さんもまた静岡県から上京し、一人暮らしをしながら作刀に励んでいる。


山野さんも辻村さんも、昨年作刀承認を受けたばかりの新人刀鍛冶だ。


加藤拓人(かとう たくと)さん(22)は、岐阜県で生まれ育った。高校卒業後に上京し、修業を積み始めて4年目になる。加藤さんは、来年に作刀承認を得るための試験を控えている。


修業2年目の吉原 慧(よしはら あきら)さん(20)は、義人師匠の孫である。早逝した父・吉原義一氏もまた祖父に並ぶ偉大な刀工だった。父が残した刀、そして祖父自らが鍛錬する姿を頼りに、いま慧さんは同じ道を志す。


およそ1000年前の平安時代中期に誕生し、脈々と受け継がれてきた日本刀。その伝統を未来へ伝えるために、日々作刀と向き合う若者たちの熱き物語を、ぜひご覧いただきたい。



続きは、ディスカバリーチャンネル放送から。

 


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Text by Discovery編集部

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