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【明日への扉】一本の木と一本の刃物から生まれる守り神~雪原に花開いた笹野一刀彫~

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独特な形状をした「サルキリ」と呼ばれる伝統の刃物を使い、一本の木から躍動感あふれる動物の姿や、繊細な花々を彫り出していく笹野一刀彫。


笹野一刀彫は、全工程が一発勝負の連続だ。サルキリの刃を自分に向けながら力をこめて木を削る工程もふくまれ、ややすれば大けがをしてしまいかねない緊迫感が常に伴う。


一度の失敗も許されない高度な刃さばきが求められる一方で、でき上がったタカやフクロウの素朴な佇まいはむしろほのぼのとした雰囲気さえ感じさせる。このギャップもまた、笹野一刀彫が郷土玩具として愛され続けている所以だろう。


雪深い山形県米沢市では、江戸時代以降、農閑期の副業として笹野一刀彫が盛んになり、鳥や動物をかたどった愛らしい玩具が次々と編み出されてきた。


なかでも有名なのは、商売繁盛の守り神とされ、米沢市のシンボルとしても親しまれている「お鷹ポッポ」だ。



お鷹ポッポを一人で彫って絵を付けられるようになるまで5年から10年はかかるそうだ。そのお鷹ポッポを彫り始めて6年目の小山泰弘さん(37)は、現在たった18名しかいない笹野一刀彫工人の最年少だ。


米沢市出身で、小さい頃からお鷹ポッポに慣れ親しんできた小山さんだが、もともと笹野一刀彫を代々彫っている家に生まれたわけではなかった。20代で一旦は米沢を離れ、東京で会社員として働いていた。


しかし30歳を過ぎた頃、米沢のためになって、米沢でしかできない仕事を探していた折に、一刀彫を彫る人がいないという話を耳にした。


「お鷹ポッポが廃れてしまうのはもったいない」という思いを新たに、当時の笹野一刀彫組合会長、高橋清雄さんに弟子入りを請うた。



なんと、はじめは断られてしまったそうだ。それでも再三熱意を伝え続け、半年後にようやく師匠からサルキリを譲り受けた。血縁も経験もないゼロからのスタートだった。


晴れて一刀彫を学び始めたものの、技術の伝承の道は長くて険しかった。

 
若き工人の目指すもの――それは1200年続くといわれる笹野一刀彫の伝統の技を習得し、次の世代につないでいくこと。


お鷹ポッポはもちろんのこと、今まで一刀彫に興味がなかった人にも見てもらえるような新しい作品づくりにも挑戦している。


さて、気になる小山工人の笹野一刀彫とは、一体どんな作品だろうか?




続きは、ディスカバリーチャンネル放送から。

 

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Text by Discovery編集部

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