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幽霊は存在する!?心霊現象を本気で検証してみた

2019.08.07

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サイエンス
エディター
Discovery編集部


心霊現象、幽霊、怪談…。夏になると必ずと言っていいほど話題になりますよね。

ところで、これほど科学が発達した現代であれば、それらの現象に説明がつくのではないかと思ったことはありませんか?今回はそんな現象を4つ取り上げ、それぞれ検証してきたいと思います。

人形の髪の毛が伸びるのは本当か


まずは「お菊人形」についてです。

髪の毛が伸びる人形として聞いたことがある人も多いでしょう。そもそもは鈴木菊子という人に買い与えられたものですが、とうの菊子さんが翌年に病気で亡くなったといわれ、その霊が乗り移ったと言われています。

その見た目は確かに不気味で、霊が乗り移ったと言われても信じてしまう程の迫力がありますが、原因は単に「髪がズレた」からではないか?と言われています。

市松人形の髪の毛は、長めの髪を二つ折りにして頭部に縫い付けている物が多く、もともと見た目の倍ほどの長さがあります。これが何らかの理由で片方にズレたという説です。

ただし、実際のお菊人形はお寺の意向によって詳しい調査が実施されていないため、この植毛方法が使われているのかは確認がとれず、断定は出来ません。

こっくりさんでコインが動くのはなぜ?


続いては「コックリさん」についてです。

知らない人のために説明をすると、鳥居や五十音表が書かれた紙の上にコインを置き、コックリさんを呼び出すとコインが勝手に動き出すというものです。

日本では1970年代に子供の間で流行しましたが、コインが動くのは狐の霊や死んだ子供の霊の憑依によるものと本気で信じる人も多く、集団ヒステリーを起こし休校になる学校も出たそうで、コックリさんを禁止する学校も多かったそうです。

一見すると確かに不思議な現象に見えますが、これは「観念運動効果」で説明がつきます。簡単な実験をしてみましょう。五円玉に糸をつけてぶら下げ、「右回りに回れ!」と念じてみてください。不思議と右に回転し始めます。

理由は簡単で、無意識のうちに自分で動かしているからです。意識していなくても微妙に筋肉が動き、指から紐へと伝わるわけです。コックリさんもこれと同じ仕組みだそうです。

もちろん、参加者の誰かが意識的に動かしていて、動かしていないと嘘をついているという可能性もあります。

「幽霊の気配」を大学の研究チームが調査

例えばお風呂で髪を洗っている時、誰もいないはずの背後に気配を感じることってありますよね?この”得体の知れない存在”について、スイス連邦工科大学ローザンヌ校の研究チームが面白い実験をしています。

まず被験者には目隠しをしてもらい、前と後ろ、二つのロボットの間に立ってもらいます。この二つのロボットは全く同じ動きをする作りになっていて、突く動作をすると、後ろのロボットも同時に自分の背中を突いてきます。ここまでで変わったことは特にありません。

ところが背後のロボットが動くタイミングを0.5秒遅らせると、参加者は自分の背後に奇妙な気配を感じるようになり、中には透明人間に囲まれているように感じたり、怯えて実験の中止を訴える人も出たと言います。

このように人間の脳は、自分の動きと関係のない物が少しでも動くと、奇妙な気配を感じるのだといいます。多くの人がこうした脳の誤作動による奇妙な気配を「心霊体験」として語っている可能性があるのかもしれません。

世界で初めての心霊写真に写っていたのはリンカーン!


幽霊がこの世に存在する証拠として1番分かりやすいのが心霊写真ではないでしょうか?実はその歴史は古く、写真が発明された19世紀にはあったそうです。

初期の有名なものは、第16代アメリカ大統領、エイブラハム・リンカーンの奥さんを撮影した写真(1870年頃)。背後に映る人物がリンカーンの幽霊だと話題になったそうです。

ところがこの写真はフィルムの二重露出を利用した、いわゆる”コラ画像”ということが後に判明しました。二重露出とは、1枚の写真に2つ以上の画像が写ってしまうことで、フィルムカメラではよくあったそうですが、それを巧みに利用した心霊写真家が当時は大儲けしたそうです。

心霊写真にはそのほかにも、手や足が無くなっているもの、丸い光が写っているもの、体が透けているものなど色々ありますが、どれもカメラの機能を使って説明可能なものばかりです。

そもそも誰でも簡単に画像加工出来る現代では、仮に本当に霊が写っていたとしても信じてもらう方が難しいかもしれませんね。

いかがだったでしょうか?

心霊現象を否定するものばかりになってしまいましたが、だからといって幽霊やおばけがいないと証明できたわけではありません。もしかしたら、今あなたの後ろにもいるかも知れませんよ…?

Text by Discovery編集部

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