【明日への扉】御所人形師 〜 余白を残す様式美 〜
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古の都、京都。
千年以上に渡り宮廷文化が栄えたこの地では、多くの人形が誕生し、日本の人形文化の中心として発展してきた。
中でも日本人形の最高峰のひとつに数えられるのが「御所人形(ごしょにんぎょう)」だ。

御所人形とは、江戸時代以降に宮廷や公家文化の中で生まれた人形のこと。華やかさよりも品格と気品を大切にした造形で、その様式美は宮中で好まれた。
白い肌、ふくよかな体と、三頭身の大きな頭が特徴的な可愛らしい子どもの姿を借りて、幸福や吉祥感、生命力を表現する。それが御所人形の真髄だ。
そして現在、由緒ある御所人形をつくり続けているのが、創業167年の「島田耕園人形工房」。

江戸時代からの技術を継承しながら、時代の変化に対応した御所人形づくりを信条としているのが五世 島田耕園(しまだ こうえん)さんだ。

耕園さんの手による、宝船をひく人形。昔から縁起物の象徴とされてきた造形が、耕園さんが考える現代の子どもの姿で表現されている。
御所人形は、衣装を着けている人の形だけをつくるというものではないと耕園さんは説明している。「それを剥いだ向こうにある精神性が大事で、その精神性を子どもの姿を借りて子どもで見せている」のだと話してくれた。
目に見えないものを形に……。その表現方法を模索しているのが、御所人形師・島田真親(しまだ まさちか)さんだ。

真親さんは、師匠である五世 島田耕園氏の長男として生まれた。子どものころから美術が苦手だったというが、高校生のとき、芸術大学の教授の話に興味を持った。
その教授が専門としていた芸術大学のアートプロデュース学科に進学し、在学中に展覧会を多く企画した。そして、大学卒業と同時に、父である師匠のもと、御所人形づくりの基礎を学び始めた。
職人になって9年。4年目のときに、日本伝統工芸近畿展で新人奨励賞を受賞し、御所人形への挑戦を高く評価された。しかし、経験を重ねた今でも、イメージを形に落とし込むのは難しいという。
「想像はいくらでも出てくるんです。それを実際形にするとなったら、どういう形を借りて、動きでそれを表現するのか。まだそこが連動していない」と話す。
島田耕園人形工房では、伝統的な人形を守りながら、現代の生活に溶け込む作品づくりに力を入れている。真親さんが試作として取り組んでいるのは、昆虫の姿を人形にした作品。

月明かりに照らされて舞うモンシロチョウ、幸せを運ぶてんとう虫、羽化したばかりの蝶、巣から一斉に飛び立ち、困難に立ち向かおうとしている蜂……。そして今、新たに鈴虫をイメージした作品に取り掛かっている。
一体の制作に要する日数は3~4か月。技術だけでなく、精神性も問われる御所人形づくり。作り手の生き様がものを言う世界だ。

三十代の今だからこそ、表現できるものもある。御所人形師としての覚悟を胸に、奮闘する日々を追った。
続きは、ディスカバリーチャンネル放送から。
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Text by Discovery編集部