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ゲーム脳は「大嘘」、ゲームをすると鍛えられる脳の機能3選

2019.03.20

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かつて流行した「ゲーム脳」という言葉、記憶にあるという方も多いのではないだろうか。

日本大学文理学部体育学科教授の森昭雄がその著書「ゲーム脳の恐怖」のなかで、ゲームをすることが脳に悪影響を与えるということを主張し、各メディアでも盛んに報道され話題となった。

その後、その研究方法や主張に対して多数の専門家から疑問が呈され、マイナスイオンや水素水などと同様に「エセ科学」と呼ばれるものとなったゲーム脳だが、その発表から10年以上経過した現代ではどのような研究が行われているのだろうか。今回はその中から3つをピックアップして紹介したい。

まずは、ドイツのルール大学ボーフムで行われたゲームと問題解決能力の関係を調査した研究を紹介しよう。

同大学では週20時間以上ゲームをする人と、全くゲームをしない人の2グループを対象に学習能力をテストするパズルを解いてもらう実験を行った。結果、ゲームをするグループの方が好成績だった他、問題の解き方にマルチタスクのアプローチが際立っていたという。

反対にゲームをしない人は物事を多角的に捉えるのが苦手な傾向が強いこともわかった。ゲームには試練や困難を解決する要素が強いため、現実の世界でも無意識のうちに問題の解決が得意になっていると考えられる。

また別の研究では、ゲームの種類が2Dか3Dかによって脳に与える影響が変わることが判明した。

アメリカ・カリフォルニア大学アーバイン校の研究チームは、2Dゲームの「Angry Birds」を毎日30分プレイするグループ、3Dゲームの「Super Mario 3D World」を毎日30分プレイするグループ、全くゲームをしないグループの3つに分けて調査。

10日間で変化があるかテストしたところ、3Dゲームをプレイしたグループは「明らかに記憶力や思考力が向上した」という。平面の2Dに比べ情報量が圧倒的に多い3Dゲームの方が頭を使っているのかもしれない。

さらにRTSゲーム「スタークラフト2」を頻繁にプレイする人は空間把握能力が向上している、とワルシャワの私立大学の研究チームが学術誌「Human Brain Mapping」で発表した。

RTSとはリアルタイムストラテジーの略で、行動に順序や決まりがなくリアルタイムに進行していくゲームのジャンルだ。スタークラフト2はSF世界を舞台に、プレイヤーが司令官となってフィールドの占有権を奪い合うゲームだ。

研究チームは頻繁にスタークラフト2をプレイする31名の脳を調べ、ゲームをしない人の脳を比較をしました。するとゲームをする人の脳は空間処理、視覚処理に関係する後頭骨と頭骨頭頂部をつなぐ神経細胞が発達している事がわかった

いかがだっただろうか。ゲームをすると脳に悪影響を与えるどころか、むしろプラス面の効果が多いことに驚くかもしれない。ゲームに限った話ではないが、思い込みに囚われず、科学的な研究結果など信頼できる情報源を見分けられるようになることが重要だろう。

Text by Discovery編集部

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