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ドーナッツの穴の秘密…お菓子にまつわるエトセトラ

2018.12.04

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Discovery編集部

ドーナッツの穴・クロワッサンの形・パンケーキにまつわる祭り。
甘いだけではないお菓子の世界を覗いてみよう。

ドーナッツの穴の由来


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ドーナッツは生地を意味するDoughとナッツNutsから名付けられたと言われている。

ドーナッツの起源は、元はオランダのお菓子オリークックまで遡る。

迫害を受けたイギリスの清教徒達が、メイフラワー号で新大陸を目指す途中に立ち寄ったオランダで、円形の揚げ菓子の上にクルミがのせられたオーリクックという揚げ菓子に出会った。

アメリカに渡りこの揚げ菓子を作る際に、クルミの代わりに中心に穴を開けて作られたといわれている。

今やフレーバーとして楽しまれているナッツが、実はドーナッツの代名詞ともいえる穴の始まりだったというのは何とも可笑しな話である。

またもう一説では、19世紀頃のアメリカの船長グレゴリー氏が幼少期に母親に作ってもらった揚げ菓子の火の通りが悪かったため、中心に穴を開けて作ってもらったのが始まりともいわれている。

こちらは何とも実用的な話である。

クロワッサンの由来はトルコ国旗!?


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フランス語で三日月を意味するクロワッサン(Croissant)。

クロワッサンの由来には諸説あり、オーストラリア ウィーンを起源とする説やフランス パリを起源とする説等複数の説が知られているが、ここではウィーンにまつわる歴史をご紹介しよう。

1683年のウィーンは歴史上最も大きな帝国の一つであるオスマン帝国(オスマントルコ)の大軍により3ヶ月間包囲され、緊張状態の中であった。

ある真夜中、パン屋で朝に向けて作業をしていると、地中深くから異質な物音が響いた。不審に思った、パン屋の店主は守備陣営に報告をしたという。

実はこの物音は、守備に手を焼いたトルコ軍が地下を経由し市内に侵入しようといた音であったのだ。パン屋の店主の機転で、危機を回避することができたのだ。これを祝し、ウィーンのパン屋がトルコ国旗の三日月に似せたパンを作ったのがクロワッサンの始まりであったという。

あの優しい味からは想像もできない、壮大なエピソードが隠されていたとは。物事は見かけによらないものである。

パンケーキを焼きながら走れ!!イギリスで開催されるパンケーキレース


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クリームたっぷりのパンケーキからハムやチーズのシンプルなパンケーキまで、日本でも様々なパンケーキが人気を得ている。

そんなパンケーキにまつわる、ユニークな祭りがイギリスで行われている。

1445年、イースター準備期間を控えた頃の話。イースターの準備期間である四句節は、キリスト教徒にとってバター等の脂質を用いた豪華な食事を取らない節食期間となる。

四句節開始の前日の火曜日は告解の火曜日と呼ばれ、キリスト教にとって大切なミサが行われる。そんな告解の火曜日に、翌日からの節食期間に備え、ある主婦がバターや牛乳をふんだんに使ったパンケーキを焼いていると、料理に夢中になり、ミサに遅れそうになった。

慌てた主婦はパンケーキを焼いたフライパンを持ったたま、通りを走りミサに向かったという。

この故事がきっかけとなり、現代でもイギリスでは告解の火曜日には、イギリス各地でパンケーキレースが行われている。

参加者は主婦だけでなく、議員や職人など多様化し、またチャリティー形式のレースも開催されているという。ある主婦の行動が、地域をつなぐ伝統的レースとなった。ユーモア溢れる心温まる話である。



  1. 池田あやか
  2. *Discovery認定コントリビューター
  3. 大学では薬学を専攻。科学の面白さを伝えようと、見て楽しい・触って楽しい科学イベントやサイエンスライターをしている。最近のお気に入りはモルフォ蝶の羽の構造色を利用したピアス。


Text by Discovery編集部

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