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ショートスリーパーは突然変異?日常的に寝すぎる人は問題ない?意外と知らない「睡眠」のアレコレ
2019.03.05
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人は、人生の3分の1を寝て過ごしていると言われる。
人間だけでなく、他の野生動物や昆虫に至るまで睡眠は必要な行動だ。だが、生き物はなぜ睡眠をとる必要があるのだろうか。
睡眠中は自然界で最も無防備になる瞬間だ。だが、これまで寝ない動物は見つかってはいない。私たちにはなぜそうしてまで睡眠が必要なのか、そして睡眠をとらないとどのような支障が出てくるのだろうか。
目次
◼️ なぜ人間には睡眠が必要なのか
◼️ まったく睡眠をとらないとどうなるか
◼️ ショートスリーパーの人と寝すぎる人の不思議
◼️ どんな生き物にも大事な睡眠
なぜ人間には睡眠が必要なのか
Credit: Kate Stone Matheson on Unsplash
睡眠中は、脳の情報処理のためであったり、細胞の修復や毒素を取り除いたり、記憶の構築を行っていると考えられている。だが実際のところ、なぜ生き物に睡眠が必要なのかはわかっていない部分が多い。
記憶を司る脳の働きが睡眠によって強化されることは確認されている。最近のドイツ・ベルン大学の研究では、睡眠中にも言語を記憶することが可能であるという研究結果が報告されている。
睡眠時間が一晩足りないだけでも集中力が大きく損なわれることは、実際に経験がある人も多いだろう。さらに、6〜7時間以下の睡眠不足の状態が長期間続くと、2型糖尿病や、心臓病や脳卒中、体重増加、うつ病まで、多くの健康が損なわれていくとされている。これらは睡眠が直接作用しているのではなく、生活習慣や不眠によるストレスなどによるところが大きいとの意見もある。
実際、2008年にアリゾナ州立大学の睡眠専門の研究者であるショーン・ヤングシュタットが行なった、8週間に渡り被験者の睡眠時間を90分短縮するという実験において、糖尿病を予測できるインスリン感受性などに変化は見られなかったという結果が出ている。
まったく睡眠をとらないとどうなるか
人や動物が実際に睡眠をとらなかった場合どうなるのだろうか。実際に試した研究データがある。
19世紀末のロシアでは、様々な動物を無理やり目覚めさせ続けるという実験が行われていた。実験対象の動物は数日間で死亡したとの報告が残っているのだが、この研究では不眠がどのように影響していたかはわかっておらず、死因と睡眠の関係性も特定できていない。
一方で、2019年2月に発表された英インペリアルカレッジの研究者による発表では、ハエを使った実験で通常の4パーセント程度しか睡眠をとることができなかったハエと、通常通り睡眠をとったハエとの寿命にあまり変わりがないことが明らかにされている。
Credit: BBC
人間の不眠の世界記録は264.4時間(11日25分)である。この記録は、1964年、米カリフォルニア州サンディエゴの高校生だったランディ・ガードナーによるものだ。当時、ハワイのトム・ラインズが持っていた260時間という不眠の世界記録を破るため、睡眠の研究で知られるスタンフォード大学の研究者立会いの元で行われた挑戦であった。
この時のランディは疲労に伴う不快感といった気分の変化はあったものの、それ以外はあまり影響がないよう思われたが、やがて認知能力などに深刻な影響が見られるようになっていった。11日目には、100から7を引いていくという簡単な計算をする途中、65でやめてしまった。なぜやめたのか質問すると、ランディは自分が何をしていたか忘れてしまったのだと答えている。
世界記録樹立後、ランディは14時間40分の睡眠をとり、翌日は10時間半の睡眠をとった。この睡眠によって、ランディは完全に回復したようだった。後の検査でも変化は現われなかったという。ランディが達成した不眠の世界新記録だが、新たに挑戦することは禁止されている。健康に重大な悪影響を与える可能性があるからだ。
「ショートスリーパー」の人と寝すぎる人の不思議
ごく稀に、一般的な睡眠時間よりも大幅に短い睡眠時間で問題ないという「ショートスリーパー」と呼ばれる人がいる。
Credit: Creative Commons
BBCが、2015年7月、アメリカのとあるショートスリーパーの女性について報じた。その女性は1日4時間の睡眠しか必要とせず、彼女の家族もまた同じなのだという。
カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究者らが彼女の遺伝情報を調べたところ、「DEC2」という遺伝子の突然変異を発見した。DEC2は、彼女と、同じく短い睡眠時間の家族には確認されたが、通常の睡眠時間の家族と、250人のボランティアの中には発見されなかった。DEC2を持つ者は、睡眠時に行われる脳のクリーンナップが通常より効率的なのではないかと考えられるそうだ。
では長く寝すぎるとどうなるのだろう。
スタンフォード睡眠科学医療センターの専門医によると、一般的に寝すぎと言われる10時間から12時間の睡眠を日常的にとっている人は異常ということではないという。前述のように睡眠不足がもたらす弊害はわかっているが、寝すぎによる悪影響は具体的には確認されてはいないとしている。
しかし、寝すぎと一部の病死には関係性が否定できないとして、引き続き研究は続いているようだ。
どんな生き物にも大事な睡眠
Credit: Jordan Whitt on Unsplash
どんな動物にも必要最低限な睡眠が存在している。
2016年に実施された、脳の動きを測定する小型装置を用いたガラパゴス諸島に生息するオオグンカンドリの調査では、飛んでいる最中に脳の半分だけで睡眠をとっていることがわかった。また、両方の脳が睡眠状態になっていることもあったという。
睡眠という行動自体が捕食者から狙われるリスクをはらむ野生動物にすら、完全に不眠で生きていけるよう進化した生き物は見つかっていないのである。今の所は、だが。
もちろん人間社会においても睡眠は重要だ。適切な判断をするためには、どんなに忙しくてもしっかりと睡眠時間をとったほうが良いというのは、人間も他の野生動物たちとなんら変わりはないのである。
Text by Daisuke Sato
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