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ウンチを我慢すると肌から出る?体臭クサイ本当の理由

2019.08.14

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Discovery編集部


「自分、あるいは他人の体臭がクサくて…」。

そんな経験、誰にだってありますよね?そして、体臭が気になるから汗をかくような運動や外出、活動をしたくない…。そんな人も少なくないのではないでしょうか?

実はその体臭、ウンチの我慢のし過ぎや便秘によるものかもしれません。また、我慢をしすぎると手術が必要な事態に発展してしまうかもしれません。今回はウンチの我慢が与える思わぬ影響について紹介します。

そもそも便秘とはなにか


そもそもウンチとは、どのようにして排泄されるのでしょうか。

私たちが食べた食物の残りかすは、始めはドロドロの状態ですが、およそ1.5メートルの大腸を通り抜けるうちに水分が吸収されて固まり、便として排泄されます。

そして、健康な大腸は、腸の「ぜん動運動」といって伸縮する動きを繰り返すことで、便をスムーズに送り出していきます。

直腸の周りには、便を感知するセンサーが数多くあり、このセンサーが脳にシグナルを送って、便意を感じるという原理です。ちなみに、便意から来る腹痛はこの神経が不規則な動きをすることから起こると言われています。

そんなウンチを我慢してしまうと、やがて便意は遠のきますが、それを習慣化させると便意自体を感じにくくなり、便秘になる可能性が高くなると言います。

便秘が原因?体臭がクサい本当の理由

そして、便秘は思わぬ弊害ももたらします。

医療法人社団池谷医院の院長によると「便がちゃんと排泄されないと、小腸や大腸が詰まり、不必要な成分まで血中に入り込んで全身にまわってしまい、本来便として排泄されるべきものが出口を求めて、汗として出ることになり、強い体臭になる」と述べています。

ウンチの成分が肌から出ていると考えるとゾッとしてしまいますよね…。

ただの便秘で終わらない!外科手術が必要なケースとは


また、便秘が長期に及ぶと「腸閉塞」という症状を起こす可能性があります。

これは、激しい腹痛や吐き気などの症状があり、最悪の場合、便がたまった腸を外科手術で切除することもあるそうです。

実際に、慢性的な便秘に悩まされていた24歳のイギリス人男性がレントゲン検査を受けたところ、男性の直腸とS状結腸に通常では考えられない量の糞便が詰まっており、健康な成人の3倍以上に膨らんでいる様子が確認された。という事例もあります。

女性に便秘が多いのはなぜ


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また、厚生労働省の調査によると、便秘の症状を訴える人の割合は、圧倒的に女性が多いというデータがあります。

これは、腸を動かすための腹筋不足がまず理由としてあげられます。

また、女性には子宮があるため腸が圧迫されること、さらに生理周期によるホルモンバランスの変化の影響でも便秘が生じやすいといわれています。

そんな便秘ですが「食物繊維を積極的に取り入れる」「適度な脂肪摂取」「十分な水分補給」「3度の食事」などを心がけることで防ぐことが可能だと言います。

ちなみに”ウンチく”ですが、カリフォルニア大学の医学部教授キム・バレット博士によると、人間がウンチをする一般的な速度は秒速2cm。これは、サイズを問わず多くの動物に共通すると言います。

また、大人が1日に排泄するウンチの量は平均して400~500g、これは1年で換算すると142kgに相当。142kgという重さはパンダ1頭分。83歳という平均寿命まで生きたとすると、ウンチは、1万1746kgつまり11トン以上もすることになり、これはアフリカゾウ2頭分に相当すると言います。

健康のベンチマークとして気をつけたい危険な臭い


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臭いというのは、悪玉菌がつくり出す有害物質が原因です。

そのため、腸内環境が良いときは、ウンチもおならもあまり臭くありません。反対にウンチやおならが臭いときは、「腸内環境がよくない」と腸がメッセージを送っていると言えるでしょう。

また、自分のウンチが水に浮いているという経験、皆さんはこんな経験はありませんか。これに注目したのが、消化器内科医のニール・ストールマン氏です。

医者たちはこれまで、ウンチに含まれる過剰な脂肪が水に浮く原因と考えてきました。しかし、ストールマン医師によれば、「脂肪か気体のいずれかが原因となる可能性が高いが、おそらく気体ではないか」と推測しています。

「便に含まれる気体は、吸収されなかった炭水化物が原因となる可能性があり、炭水化物は、腸内で発酵してガスを発生させるから」と、その理由を述べています。

ウンチに気体が多く含まれるのは、一度の食事で乳製品や食物繊維を摂り過ぎた場合や、乳糖を消化吸収しにくい乳糖不耐症の人に起こりやすいそうです。


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いかがだったでしょうか?たかが便秘…と侮っていると意外と痛い目にあうことがあるかもしれません。もし気になる方は最寄りの便秘外来などに行ってみるのも良いかもしれませんね。

Text by Discovery編集部

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